大学生に自治体政策づくりについて話す 

左から坪郷さん、岸田、加瀬さん

法政大学の学生にむけて「(政治・政策)協同の力で自治体政策をつくり・変える」というテーマで、加瀬和美さん(生活クラブ生協東京理事長)、坪郷實さん(早稲田大学名誉教授:NPOまちぽっと理事)と一緒にお話する機会を得ました。私からは多摩市での学校給食の牛乳選択制が導入された実例についてお話をしました。

牛乳選択制を簡単に説明すると、学校給食の飲用牛乳提供停止を希望した時に、食物アレルギーや特定の食物摂取制限外の理由の場合、必須であった医師の診断書がなくても、飲用牛乳停止届の提出により飲用牛乳を停止できる対応のことを指します。

医師の診断書が必要な2020年度の学校給食センターの調査によると、飲用牛乳廃棄量が多い学校では未開封のみで約29%廃棄されていました。成長期に必要なカルシウムを摂取できる栄養源ですが、飲むことができない子どもたちは少なくありませんでした。そのため特に飲用牛乳は毎日提供されるため、ESDを学んでいる子どもや保護者から、現状を変えたいという声を受けて、多摩ネットも構成メンバーとなっている生活クラブ運動グループ多摩市地域協議会で牛乳事業者や教育委員会から話を聞いたり、市民にアンケートを実施したり、集会も開催するなどして2022年8月に多摩市教育委員会定例会に牛乳提供を選択性にしてほしいという陳情を提出するに至りました。結果、全員一致で採択され選択制が実施することとなりました。

坪郷先生からは、自治体のしくみと政策を、市民参加・市民政策の提案により、市民のニーズにあうものに変えていくことの大切さの話がありました。私が話した学校給食の飲用牛乳では、本来は子どもたちのことを考え定めた学校給食法に学校給食が縛られすぎて、牛乳提供を止めるためには一律に医師の診断書を求めていたため、保護者や子どもたちの想いと乖離している部分があったが、そこを埋める取り組みだったとまとめてくれました。

学校の給食だけでなく、私たちの暮らしは政治とつながっています。政治と市民のニーズがかけ離れていかないよう、皆さんとともに政策を考え、調査をし、生活を豊かにする道具としての政治を使い、誰もが生きやすい社会を一緒につくっていきたいと改めて思いました。

講義終了後に感想を書く学生さんたち