啓発を急げ!こどもたちにも拡がる性的恐喝~セクストーションとは

7月17日にNPO法人「ぱっぷす」の金尻理事と人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」の伊藤弁護士による記者会見に参加しました。会見は、夏休みを前にSNSを通じたセクストーションの被害が増えることへの警鐘であり、こどもや保護者への周知、啓発を急ぐ必要があります。

■「セクストーション」とは…

耳馴染みのない言葉ですが、Sex(性的)+Extortion(恐喝)を合わせた言葉で、SNSを通じて性的画像をネタに脅迫し金銭を要求するもの。SNSでのやり取りを通じて信頼感を得てから軽度な性的なやり取りや画像を送らせ、その後、より過激な性的画像や動画を求められるケースが特に女性に多いとのお話でした。

「ぱっぷす」に寄せられた相談は2023年度528人、2024年度1864人と増え、2025年度7月16日時点で1066人と急増しています。今年6月の相談者の9割近くが18歳未満の子どもであり、脅迫によって誰にも言えない、騙された自分が悪いと追い詰められ、画像が拡散される恐怖から自殺しようとした小学生もいたとのショッキングな例もありました。またアメリカでは、標的にされた男子高校生が加害者とのやり取りを始めてからわずか6時間で自殺に追い込まれる事件があり、対策が強化されました。

 

■海外では法整備、支援体制も…

日本でもアメリカ同様に海外の犯罪グループの関与が疑われています。手口が巧妙なうえ、AIが作った本人そっくりの性的画像や動画による恐喝が増えていますが、日本にはこれらに対応できる法律も支援体制もありません。国外犯は地域の警察署では対応が難しく、被害者自ら削除申請や弁護士に依頼する負担は大きく、法の改正や法整備が急がれます。

こどもたちの間にも被害が急増している状況を考えると、子ども家庭庁や文部科学省から夏休み前に周知することが効果的とのご提案があり、私も周知に役立ててもらえればと、主催者の許可を得たうえで資料を多摩市役所に届けました。

■もし被害にあったら…

誰かに話すのは無理だ…きっとそう思うかもしれません。でも1人で抱え込んでも決していい方向には動きません。悪いのは加害者です。警察や、多摩市であれば身近な児童館の職員、子ども家庭センター、女性センターに相談して下さい。

 

被害を未然に防ぐために、「性的恐喝=セクストーション」について周知を行うことや包括的性教育といった、多摩市にもできることを求めていきたいと思います。