多摩市2021年度決算審査について 

10月4日に最終日を迎える9月議会は決算審査の議会でした。各会派からなる各常任委員会が予算決算特別委員会の分科会となって評価し、最終日に議会全体の総意として認定するため、次年度への事業の改善が市民から期待されます。2021年度の決算で私が所属する子ども教育分科会が評価対象とした「教育活動指導員配置事業」は、市民から声が寄せられることが多い事業です。そのため、特別な配慮を要する児童・生徒の実態に見合う適切な指導員配置となっているのか、市民の皆さんからの意見を活かし、分科会で検証・協議し評価しました。

さて、決算評価に先立ち、市からは昨年度の決算事業報告書が出されます。私が2021年度の報告書と予算書を比較したところ、過去の事業経費が一致しない部分があることに気が付きました。生活環境分科会での報告書でも同様なことが見つかり議会事務局に問い合わせると、決算事業報告書の数字が正しいとのことでしたが、過去の予算書カルテや決算事業報告書を確認しても、正しいと言われたはずの2021決算事業報告書と異なる部分が多数ありました。

議会はこの決算事業報告書を用いて評価を行い、市民が納めた税が当初の予定通り適正、適切につかわれたかを審査する権限を与えられています。市民からはさらに、施策や事業のチェックを通じて今後の改善に繋げることが期待されています。しかし評価の拠り所でもある決算事業報告書の記載、特に数字が正しいのか不明では正しい検証も評価もできるでしょうか。

市はその後、全庁で再確認を行い50か所を修正した修正版が出され、もう誤りはないとの報告でしたが、公園緑地課に関する白田委員の質疑によって、新たに2事業の誤りが明らかになりました。決算最終日には、ネット・社民の会の岩崎みなこの再度の総括的質疑において、さらなる修正の含みを持った答弁がありましたが、それを私が確認できたのは予算決算特別委員会での挙手の後、文書法制課への問い合わせによってでした。

市長は「誰しも間違いはあるがきちんとリカバリーできるよう、私からも緊張感をもって仕事していただくようお願いする」という言葉に先立ち、「審査にあたり議員に不安を与えたことを深くお詫び申し上げる」とおっしゃいました。不安ではなく正しい資料なくして正しい審査はできないということを、市長にはよく理解していただき責任を重く受け止めてほしいと思います。