12月一般質問 循環型社会への転換~ワンウェイプラスチックの発生抑制~①

毎年900万t前後のプラスチック製品が日本で生産され、ほぼ同量が廃棄されていると言われています。廃棄されたプラスチックを全てリサイクルできれば、新しいプラスチック製品を作る原料をほぼ賄う事が出来ますが、日本のプラスチックごみの有効利用率は85.5%の内58%は熱回収です。燃やすことで発電や熱、燃料化として利用しますが、温室効果ガスが発生し、地球温暖化を悪化させます。リサイクルをするにしても多様な種類がある廃プラスチックから、同じ種類のみ集める必要があり、不純物が入ると品質が低下します。完全な不純物の除去が難しい上に、再生過程でも劣化が生じ、リサイクルにも限界があります。プラスチックごみが起因の様々な環境問題は解決方法が確立しておらず、プラスチックを発生源から減らしていく事を進めていく事が必要とされています。

1月19日、議会後の報告を市内3か所で行いました。

市は環境に配慮した物品等の購入を通じ、環境負荷の低減を推進していくため「グリーン購入ガイドライン」を策定し、2018年度(平成30年)には対象品目における購入割合が98%という成果を上げています。しかしこの「グリーン購入ガイドライン」にワンウェイプラスチック化の観点、役務(清掃や売店の委託などのサービス)という分類がありません。環境省は昨年の二月にプラスチックに係る基準の見直しを行い、そこに一部ですがワンウェイプラスチックについても設定されています。川崎市では環境省が定める品目に加え、地域に合った独自の基準を策定をしています。

多摩市ではこれから公共工事の計画が続いていきます。公共工事という大きな経済活動を通じ、企業の環境経営、環境配慮型製品の開発の促進となるよう、今までより環境負荷の低減に寄り添ったガイドラインが必要です。市からは国の方針を参考にプラスチック製品に関する環境への配慮を一層推進する必要があるとの答弁を得ました。東京都では昨年6月にグリーン購入ガイドラインの強化を入れた「都庁プラスチック削減方針」を策定しました。循環型社会を構築していくためにも、市でも具体的な行動を入れた方針や宣言等が求められています。