多摩市はマイクロプラスチックへの対応をはじめました!
9月議会における補正予算、教育費でスポーツ施設管理運営費として、連光寺公園・貝取北公園庭球場人工芝張替え工事について提案がありました。補正予算の内容は、L字溝からU字溝への変更工事費と人工芝からでるマイクロプラスチックを捕捉するために使用されるフィルターの購入費です。
U字溝に変更することで、庭球場からでるごみを止める金属網の設置ができるようになります。そしてその金属網にフィルターを取り付けることで、細かいマイクロプラスチックになった人工芝を捕捉することができるそうです。
人工芝にはロングパイルとショートパイルがあり、芝の長さが違います。本市の南豊ヶ丘フィールドではロングパイルが使用され、パイルの隙間に黒いゴムチップが敷き詰められています。そして今回補正予算で出てきた庭球場はショートパイルが使われており、砂が敷き詰められます。
ロングパイル人工芝には、公共財団法人日本スポーツ施設協会屋外施設部が策定したガイドラインがあります。しかし今回の補正予算で出てきた庭球場で使われるショートパイル人工芝にはガイドラインがなく、まだ三か月間という短い期間ですが市は実証実験を行っているそうです。実証実験では設置フィルターを降雨後に確認すると、人工芝色の緑に変わっており、一定の効果を感じていることが質疑からわかりました。
本年度3月議会の市長施政方針で、市長はマイクロプラスチック問題について市民へ啓発するという一方で、庭球場の人工芝を計画通り行っていくことを述べられました。世界的なマイクロプラスチック問題で、人工芝が割合を占めていることは以前議会でも話に上がりました。また多摩市は気候非常事態宣言を出した市です。そこで3月の市長施政方針の代表質問において、市長の姿勢について尋ねました。
「現行では、安全性や維持管理などの面から定説な代替素材がなく、人工芝をすべて撤去することは困難ですが、環境問題への対応は非常に重要と考えていること、マイクロプラスチックを排出させない対策や庭球利用者とともに流出させないための管理の仕方などを考えていきたい」等の答弁がありました。
多摩市は全国でも取り組みの少ないショートパイル人工芝の対策を始めました。しかしこれで全てのマイクロプラスチック問題が解決できるわけではありません。大事なことはマイクロプラスチック問題を海洋汚染という遠い問題にするのではなく、自分たちの生活にあることを知り一人ひとりが行動を変えていく機会にすることです。市長も同様のことを答弁していました。
スポーツと環境。一見なにも関連がなさそうなことも含めて、気候非常事態宣言を出した市として、日常生活から何ができるのか考え取り組み、この多摩の良い環境をみんなで享受し続けていけるようにしていきたいです。