子どもの人権の視点に立ち、スクールカウンセラーをどう活かしていくのか

6月議会では、子どもや保護者の方からの情報をもとにスクールカウンセラーについて質問しました。スクールカウンセラーは相談室で子どもや保護者の相談を受けるだけでなく、学校での子どもたちの様子を見て、校長に対し配慮や支援の助言も行うことのできる、学校に欠かせない専門職です。しかし、相談した子どもや保護者にとっての秘密、学校側からみると情報は、相談後はどのように取り扱われているのか。また雇止めが問題視される中で、チーム学校の一員として働いてくれているスクールカウンセラーの働く環境ついて等、質問しました。

「東京都スクールカウンセラー活用ガイドライン」によると、子どもや保護者がスクールカウンセラーに話した秘密は、「スクールカウンセラーは、学校が児童・生徒の指導等に必要な情報を管理職に報告する」とされており、守秘義務は学校全体で管理することが基本です。つまり、一般的なカウンセラーとは秘密の取扱いが異なり、学校で情報が共有されるのです。その仕組みは子どもたちの利益につながり得る一方で、スクールカウンセラーにだから話す秘密という個人情報のその後、どう扱われているのか、相談した本人が知らされていないのは問題です。自分の秘密がどう扱われるのか、本人に知らせ、納得を得たうえで相談を受ける必要があるのではないでしょうか。

これについて多摩市教育委員会は、スクールカウンセラー通信を通じての周知を示唆しましたが、誰にも言えないで抱えている悩みや苦しみを、この大人にだけなら相談できると信頼して訪れる子どもや保護者の人権を、もっと重くとらえる必要があります。

子どもの人権の視点に立ち、スクールカウンセラーをどう活かしていくのか、改めて考える必要があります。

 

写真は山王下緑地の未供用地。秘密基地みたいな不思議な空間です。