上勝町視察報告①

生活環境常任委員で、徳島県上勝町に視察に行ってきました。上勝町は日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言した町です。ゼロ・ウェイスト、いろどり、有償ボランティア輸送事業、について視察してきました。

上勝町は総面積の85%が山林であり、その山林の90%が植林です。戦後の復興で材木が必要とされ、急な斜面にも植林しています。副町長さんもよくこんなところまで植えたなと思うそうで、私も遠くで見るとわかりませんでしたが、実際近くで見ると転げ落ちそうな斜面に植林されているのを見て驚きました。しかし、今はその植えられた木を切れば切るほど赤字になるそうです。世界的に見れば、森の伐採が問題化しています。一方日本には上勝町だけでなく、植林された木が多くあります。その木を使ってほしいと感じましたし、多摩市から出る木も、今より有効活用したいと思いました。

上勝町に話を戻すと、昔は林業とみかんの栽培が盛んで6千人ほど暮らしていましたが、今は過疎化と少子高齢化が進み、人口が1500人ほどで高齢化率が50%以上の四国で一番小さな町だそうです。町に高校と大学もなく、高校が学区制ということもあり、子どもたちが中学生になると家族ごと市の中学校に引っ越してしまうそうです。2年前より町営の小学生以上の学習塾を提供しています。始めは受験対策のために中学生対象に学校で始めたそうですが、好評で対象者を小学生からにしたそうです。また子どもの数が少ないと、人数がいる球技をしたい子どもは引っ越してしまうという事で、隣町と合同チームを作るなど、工夫をしているそうです。2040年には上勝町の人口は900人を切ると予想されており、1000人維持することを目指しています。印象的だったのは、高齢化を気にしてはいない。平地が少なく標高100mから700mの間に55も集落がある上勝町は、傾斜での移動が足腰を丈夫にし、元気を支えている。(この話を聞いていて、多摩市を思い出しました。坂が多くきついなぁと感じますが、元気な高齢者が多い秘訣とも聞いています)上勝町は彩とごみゼロと教育で町の活性化をしていきたい、町を盛り上げていきたいと考えているということでした。過疎化、少子化、高齢化。これから日本の先を行っている上勝町の話を聞き、多摩市でもこれから何が必要になってくるのか。少子高齢化とよく聞くが、それがどういうことなのか、学ばせてもらいました。