学校の断熱化について
2025年7月の東京の月平均気温は28.5℃となり、「多摩市気候非常事態宣言」を発出した2020年7月の24.3℃と比べて4.2℃高くなっています。気候危機が進む中、子どもたちが一日の大半を過ごし、学ぶ学校の環境をどう守るのかは、市の重要な課題の一つです。
文部科学省の「学校環境衛生基準」では、教室の温度は18℃以上、28℃以下であることが望ましいとされています。市内の教室にはエアコンが設置されていますが、教育委員会への質疑で、28℃を超える教室があることが明らかになり、学校における暑さ対策は喫緊の課題であるとの認識が示されています。
小学校の体育館は空調設置とともに遮熱シートが設置されましたが、校舎は遮熱化・断熱化されていません。そのため特に最上階が暑いという子どもの声を聞いています。
しかし2026年度の予算審査では、試行的に温度測定器を設置することを検討するとの答弁はありましたが、具体的な断熱化へのスケジュールは示されませんでした。
そこで、学校の断熱化をどのように進めていくことができるのかを学ぶため、全国政策研究集会に参加しました。研究集会で紹介されていたのが、学校の一教室から始める「学校断熱改修ワークショップ」です。学校は断熱性能が低い建物が多いため、断熱改修による効果を実感しやすく、同じ条件の教室が並んでいることから、改修した教室と改修していない教室を比較し、効果を検証しやすいという特徴があるそうです。また、子どもたちや保護者、地域の人も断熱について学び、体感できる点にも魅力を感じました。
全国で行われた6事例では、内窓の設置、天井や壁の断熱、オンデマンド換気扇への変更などの改修が行われ、その結果、夏の冷房に必要なエネルギーを約18%、冬の暖房に必要なエネルギーを約60%削減できたと報告されました。
すぐに全校での断熱工事が望ましいですが、まずは一校、一教室から試行し、温度やエネルギー使用量を測定して効果を検証することはできるはずです。すでに多摩市の子どもたちは遮熱フィルムを貼るなど、できることから考え、実践しています。
「エアコンをつければよい」という対策から一歩進み、建物そのものの性能を高める視点が必要です。今回の視察で学んだ、まずは小さく始めて効果を測り、検証しながら広げていくという考え方を、多摩市の学校の暑さ対策にも生かしていきたいです。

多摩市立瓜生小学校で実施された教室の窓に断熱フィルムを貼る様子
