本会議最終日で覆った陳情 しかし全会一致ではないので意見書は出せず
武蔵野市では市議会に3か月以上市内に住んでいる外国籍の人にも住民投票権を認める条例案が提出され、注目を集めました。住民投票条例案は13日に審議した総務常任委員会では可決されていましたが、21日の市議会本会議において反対が多数を占め、否決されました。武蔵野市の松下市長は「外国籍の市民も日本国籍の市民も同じコミュニティーの一員として人権が尊重され、多様性を認め合う、地域共生社会をどう具現化していくかが問われている」と本会議終了後の記者会見で訴えていました。国籍や文化、宗教の違いがあっても、人権が守られ、全ての人が暮らしやすい社会を共に創っていくことが、皆が幸せに生きていくために必要だと感じます。
一方、多摩市議会では武蔵野市とは反対に、総務常任委員会では趣旨採択とされたものが、最終日の本会議において採択となった陳情がありました。
「戦没者の遺骨収集の推進に関する 法律」に基づき、「沖縄戦戦没者の遺 骨等を含む土砂の採取の断念を政 府に求める意見書」の提出を求める 陳情です。
「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」に基づく計画にあるように、「遺族の心情に鑑み、戦没者の遺骨の尊厳を損なうことのないよう、丁寧な配慮をしつつ、戦没者の遺骨収集を推進する」ために、沖縄本島南部地域の戦没者の遺骨等を含む土砂の採取計画を断念するよう、多摩市議会から意見書の提出を求めるものです。もちろん、「ネット・社民の会」は賛成の意見討論を行いました。
先の大戦では多くの尊い命が失われ、特に沖縄では国内最大の地上戦が行われ、20万人の方が亡くなられたとされています。戦没者は「愛する人、故郷のもとに帰りたい」と今も待ちわび、また遺族や故郷でも自分たちのもとに戦没者の遺骨が帰ってくるのを、戦後76年経っても待っていると聞いています。多摩市でもヘルパーの方から、多くのご高齢の方が戦争で愛する人を亡くしたドラマを朝見ながら、このドラマの主人公と自分を重ね、戦争で亡くなった知人、友人、親せき、家族等を思い出していると聞いており、全国から沖縄に兵も集められており、この遺骨が含まれた土砂の問題は、改めて多摩市の問題でもあると感じています。国も遺骨を遺族のもとにお返しすることを責務として取り組んでおり、総務常任委員会でも遺族へ戦没者の遺骨を返すべきだという考えは一致をしていました。
戦没者を直接知る遺族の方々もご高齢になっており、少しでも早く遺骨が遺族に帰ることができように、土砂を他のいかなることにも利用してはいけないと考えます。