「精神障がいの理解」「女性、障がい、重なる困難さ」について 12月2日、一般質問しました。

聖蹟桜ヶ丘駅前で議会報告をしました。

◆高校生頃に発症することの多い統合失調症は100人に1人程度の発症率と言われており、精神疾患は今や誰にとっても身近な精神疾患です。学習指導要領の改訂により高校生は「精神疾患の予防と回復」を学びますが、保健の授業で「偏見や差別」についても学ぶのは精神疾患だけです。自分のために、あるいは当事者に不当な差別や排除をもたらさないために、改めて私たちは知っておく必要があると思い一般質問しました。

Q.学校を通じての精神障がいへの理解促進は?

A.障がいへの差別をなくすため、多摩市障がい者差別解消条例を解説したリーフレットや、障害福祉課が障がい当事者と作成した「心つなぐ・はんどぶっく」など活用して進めている。今年度は「心つなぐ・はんどぶっく」の子ども向けを作成する予定だ。

Q.障がいのある人との交流機会「ひとときの和」は、身体・聴覚・視覚障がいに留まる。身の回りにこれほど増えている精神障がいへの理解促進は?

A.実行委員会で参加団体の拡充含め前向きに検討していく。

Q.多摩市は子ども若者条例に基づく相談、救済、権利擁護機関の設置を進めるとしている。進捗および障がいへの配慮は?

A.7月のワークショップでは、気軽に相談できるといい、インターネットで悩みをシェアできるといい、初対面の人に話すのは抵抗があるなどの子どもの声があった。子どもの声に耳を傾けることに長けている人材、代弁者として子どもに寄り添うかたちを検討している。

障がいへの配慮の点でいえば、精神障がいは区切れるものでなく必要な配慮も多様だ。大事なのは排除しないこと。当事者、支援者の意見を聴くことだ(児童青少年部)。

 

◆「DPI女性障害者ネットワーク」による複合差別実態調査は、女性であり障がいがある方々の複合的な困難を浮かび上がらせました。障がいのある男性と女性の収入の差、性暴力被害を受けた障がい者の男女比などの実態は、就労、障害、ジェンダーといった各部署によるこれまで通りの調査からだけでは見えてこなかったことです。

A.多摩市障害者生活実態調査からみる多摩市の実態は?
Q.一般就労率は女性18.8%、男性28.9%、一般就労での収入200万円未満は女性61.5%、男性42%、相対的に女性が働きにくい、収入が少ない、支援が必要との認識だ(健康福祉部)。

A.内閣府の調査では昨年度のDV相談は2013年比で1.3倍、障がいのある女性に特化すると2.5倍だ。本市ではどうか?

Q.女性からの性被害や暴力の相談の際に障がい者かどうか確認しない。把握していない(女性センター)。

Q.多摩市でも、各部署に寄せられた相談を突き合わせて実態をつかみ、次期「女と男がともに生きる行動計画」に反映する必要があるのでは?

A.見直しの際、アンケートをとることは考えられるが、そのクロス集計が適切か、審議会の助言を仰ぎながら検討すべきものと思う(女性センター)。

「多摩市女と男の平等参画を推進する条例」では、「障がい者であることに加えて女性であることで複合的な困難を抱えている人」を特に困難な状況にある人と定義しています。男女という二つの性で語ることそのものが時代に追いついていない気もしますが、「障がいの者全般」から、まずは困難を抱えていることが明らかになった「障がいのある女性」にフォーカスし、困難の原因がどこにあるのか、各部各課が共有することが必要なのではないでしょうか。