障がいがあっても、高齢になっても安心して暮らせるまち~ケアラー支援条例をつくる~
このコロナ禍、短期間でしたが、高齢の祖母の介護が必要となりました。主に介護を父母が担い、私たち兄弟が父母の助けをしました。急に始まった介護に自分たちで情報を得ながら、祖母が行ってきた元気な祖父の面倒も見ながら行う介護は、精神的にも肉体的にも大変だと両親の姿を見て感じました。
多摩市の高齢者の割合は2019年に28.7%、約4人に1人ですが、2025年には30%になり市民の3人に1人は高齢者になります。 介護は年を重ねた時だけでなく、病気やけが、障がいを持っても介護を必要とし、人生の中でときに介護をする立場にもなります。 介護は嫁や娘という立場の女性が担うことが多いですが、今は男性の介護者も増えています。
多摩・生活者ネットワークでは、子どもが担うには重すぎる責任を伴う介護で、就学や就職を諦めざるを得ないケースがあるヤングケアラーについて問題提起をしてきました。国の実態調査では、中学生の17人に1人がヤングケアラーです。市では昨年末にようやく小・中・高校生に対して、ヤングケアラーの実態調査を行いました。調査を行う前から、子ども家庭支援センターでよく話を聞いてみると、ヤングケアラーと明らかになったり、市内のヤングケアラーに対して障がい者施策や高齢者施策などの現制度だけでは支援できない、制度の狭間に陥る子がいることもわかっています。
現状では、介護を担うケアラーを支援する法律はありません。私はケアラーもその人らしく生きるため、ケアラーへの施策も必要だと考えます。そのためにケアラー支援条例をつくり、自分たちの住むまちからケアラーの支援を進めます。介護を受ける人も、行う人も安心して暮らせるまちこそ、障がいがあっても、高齢になっても安心して暮らせるまちになるのです。