頼りあえる社会をめざして

東京・生活者ネットワークの新春の集いで、慶応義塾大学教授の井手英策さんより、「頼りあえる社会へ 自由と可能性をすべての人へ」というお話を伺いました。

新春の集いでの挨拶。とっても緊張しました。

これからは「増税反対」と思考を停止させるだけではなく、「税の使い道について」どんなことに税を使い、どんな社会にしていきたいのかを考えていくことが大事であるというところから始まりました。

税はみんなが払い、その税を所得関係なくみんなが必要とする医療や介護、教育等、ベーシック・サービスに使うことで、所得の格差は縮小するそうです。そして失業や病気、長生きをしても、子どもがいても、生活が保障され、不安のない社会をつくることができるそうです。例えば所得200万のAさんと所得1000万のCさんがいるとします。所得格差は5倍です。AさんにもCさんにも所得の25パーセントの税をかけます。50万と250万の税収入が入ります。その税を使って150万ずつ、みんなが必要とする医療や介護、教育等、ベーシック・サービスを行います。Aさんは税を引かれた150万円に150万円のサービスを受け、300万円の生活水準になります。Cさんは税を引かれた750万円に同じく150万円のサービスを受け、900万円の生活水準になります。格差は3倍になり、小さくなっています。貧困対策ではなく、みんなの税をみんなに使う事で、税を暮らしの会費に変えていけるというお話でした。

生活者ネットワークは、貧困や格差社会を容認する政治から脱却し、誰もが等しく人権や生活権が保障され、自分らしく暮らせる社会の実現をめざしています。その実現に向けて、税の使われ方を考えるいい勉強になりました。

勢ぞろいした候補予定者