私たちの暮らしと生物多様性の保全 ~(仮称)連光寺六丁目公園用地は、生物多様性の保全を学ぶ場へ~

鶴牧西公園にある水のモニュメントで、昨年と比べて少なくなったものの今年もヤマアカガエルが産卵をし、オタマジャクシに孵化したと連絡をもらいました。

ヤマアカガエルは2月に産卵をします。モニュメントを見に行った日、下の古民家の前の水場には氷が張っていました。

昨年度はこの時期に清掃を行うためにモニュメントの水を抜き、その後にバキュームで全てを吸い込みました。モニュメントはきれいにはなったものの、その結果ヤマアカガエルの卵もオタマジャクシも全滅してしまいました。ヤマアカガエルはカエルになると陸地に生息場所を変えるため、産卵時期外に清掃を行えば、このような結果を避けられたはずです。市もこの反省を踏まえて清掃時期を変えました。しかし人工物であるモニュメントは水辺の生き物の貴重な生息場所となっており、一部生き物は市民の手により救出されましたが、やご達が同じような状況に追い込まれました。市の公園緑地課が清掃前にモニュメントの状況を確認してくれたら、市民に清掃を知らせてくれたら、このような事は起こらなかったのではないかという、市民の意見には同意します。

国連の報告書によると、そう遠くない未来、地球上の生物800万種のうち100万種が私たち人間の活動の影響により絶滅するというのです。全てが解明できたわけではありませんが、生き物は自然の中で繋がり、お互いにバランスを取り、影響を与えながら生きていると言われています。私たち人も例外ではありません。例えば、このまま生物多様性のバランスが崩れれば、作物の安定確保にも影響があると指摘されています。しかし私たちはすでにニュースでネオニコチノイド(農薬)の使用でミツバチがいなくなり、農作物の影響があることを耳にしており、すでにそれは現実になりつつあります。

3月には多摩市も雪が降りました。その中でも鶴牧西公園のヤマアカガエルの卵は逞しく成長しました。このことからも、生き物の危機は厳しい自然環境ではなく、私たち人の活動だと教えられています。

多摩市は気候非常事態宣言を出した市です。宣言では「気候変動は生態系も脅かします。生態系を育む生物多様性が豊かであれば、気候変動による影響を緩和し、もとの自然環境に戻してくれる調節機能を持ちます。二酸化炭素を排出しない社会にしていくと同時に、生物多様性も保全していく必要があります。」と書かれています。

一度絶滅してしまった生き物は、その後に保全活動を行っても返ってくることはありません。地球のあらゆる生命は網の目のような関係性によって構成されていると言われており、その網の目がある種の絶滅により切れていくということは、地球全てに影響を与えます。

三月議会の代表質問でも質疑しましたが、今年度より東京都の保全地域の中の(仮称)連光寺六丁目公園用地で農的活用が具体化されていきます。ここでは生物多様性の保全とはどういうことなのか、市民と共に考え、実践し、生物多様性の保全がここから広がっていくような場所になっていかなくてはなりません。そうでなくては、お金をかけて用地取得したことを市民に対してどう説明するのでしょうか。

これからも連光寺・若葉台里山保全地域に注目していきます。