地産地消のエネルギー 岡山県真庭市から学んだこと
真庭市は森林が市域の約8割を占め、原木市場3か所、製材所約30社、製品市場1か所が集まる、西日本有数の木材産地です。木を切り出すところから製材、製品化まで地域内に産業がそろっていることが特徴です。

今回視察した「真庭バイオマス発電所」では、木材として利用された後に出る製材端材や樹皮、これまで山に残されていた林地残材などを燃料として電気をつくっています。安定的に燃料を供給するため、これまでごみとして扱われてきた未利用資源を集め、粉砕・加工するバイオマス集積基地も整備し、発電所に燃料として供給しています。このように未利用資源を買い取る仕組みを構築したことで、林地残材が減り、山がきれいになったと聞きました。
視察を通してわかったのは、森林があるから発電できる、ということではありません。何世代にもわたって築いてきた林業や木材産業という地域の土台があったからこそ、資源を最後まで生かす仕組みができ、エネルギーを地域でつくることができたのだと感じました。
つくられた電気は小中学校など地域の公共施設でも利用され、エネルギーの地産地消が進められています。
また、これまで費用をかけて処分していた廃材が資源として買い取られ、資源を使い切ることで、森林資源の適切な管理にも利益が還元される循環が生まれています。さらに、バイオマス事業や関連施設への視察者を受け入れる「バイオマスツアー真庭」も行われ、食事や宿泊などを通じた地元経済の循環にもつながっています。
生活者ネットワークでは、これまでエネルギーの地産地消を提案してきました。しかし、多摩市は住宅の7割強を集合住宅が占めており、太陽光発電を進めようとしても、賃貸か分譲か、住宅の規模や所有形態によって、設置費用の負担や発電した電気を誰が使うのかなどの課題があります。
真庭市では、1992年から若手経営者が地域の将来について議論を重ね、1997年には「まちなみ再生」と「ゼロエミッション」を両輪とする考えをまとめました。そこから時間をかけて、地域の課題を解決しながら、森林資源を余すことなく使う仕組みを築いてきました。
今回の視察を通して、エネルギーの地産地消が、お金の循環にもつながり、環境の面だけでなく、持続可能な地域の発展にもつながっていることを学びました。学んだことを活かし、多摩市の地域特性に合ったエネルギーの地産地消について考え、提案していきたいです。
